屋久杉とは―過酷な環境に根を下ろし、数百数千年を生きる樹木

屋久杉ー時が形づくる造形の美しさ

屋久杉とは|原生林が手付かずの屋久島の山岳に自生する大杉

名前の通り、屋久島という鹿児島県の島に自生する杉です。
標高500mを超える山地に自生する樹齢1000年以上の杉を「屋久杉」と呼んでいます。
樹齢1000年以下の杉を「小杉」。樹齢30年〜50年の植林杉を「地杉」と呼びます。
樹齢を重ねているため、材面は緻密で複雑な美しい模様があらわれます。
見た目と色味、また香りが特有の無二の模様から、豊臣秀吉をはじめとする
歴史上の有力者も、好んで扱ったようです。
古代には日本全国に存在した原生林ですが、
江戸時代にはすでに、原生林が希少だったことを裏付けています。

“屋久島では月に35日雨が降る”

この言葉を残したのは昭和初期の作家「林芙美子」です。『浮雲』(出版:1953年)
の中での表現です。非常に雨量の多い島です。

林芙美子『浮雲』新潮文庫。屋久島の雨の多さを表す「月のうち、三十五日は雨」という一節。

・台風が多い
台風が多く、樹木は一定以上に樹高をのばせません。
枝は風で飛び、その傷跡に水が入ると、朽ちてしまいます。
水を弾く意味で、屋久杉には油分が多いと考えられています。

・花崗岩でできた島のため土が浅い
元々杉は、そこまで深く根を下には張らない樹木ですが、
それでも、土壌が薄く、根を横に岩場に、張っています。
栄養が少なく、成長が遅くなったことが、かえって、樹幹を強くし
樹齢をのばしました。

・結果的に生じる美しい材面
材面の美しい複雑さは、「雨量の多さ」「台風」「土壌の薄さ」ゆえの結果です。
偶然や自然が形づくった賜物という点は、
多くの人の関心を惹いてきた観点の一つです。

屋久杉の断面模様

新たな供給のない屋久杉。あるものを大切にいただく…

江戸時代には「薩摩杉」と呼ばれ、すでに名のある杉材として知られていました。
1687年の笑話本『はなし大全』に収められた「牛ほめ」にも、その名が登場します。
また水に朽ちにくい性質から、米の代わりに年貢として納められていました。

そんな屋久杉ですが、2020年には林野庁が管轄する市場が終了し、
新たな搬出は行われていません。

樹齢だけではなく、「年貢…」「笑話本…」「大阪城築城に手配された…」
など無二のストーリーを持つ材種です。
※樹種ではなく材種としたのは、DNAレベルは杉に分類されるため。

「伐採が禁止されているから、使わない」ではなく
すでに伐採された材を使うこと、手を加えていくこと、
またきちんと需要のある形に工夫することが大切だと考えています。
伐採したものを無駄にすることほど、失礼なことはありません。
感謝をしつつ、現代の環境に目を向け、材が生きる形を見定めて
より良いものに仕上げることが、樹木にとっても最善の方向だと考えています。

この記事の執筆者まなこの音について

まなこの音では見た目に特徴のある木材「銘木」を使用した小物製品や縁起物を取り扱っております。
屋久杉の探し方・選び方・製品について、どんな内容でもお気軽にご相談ください。


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千年の時を生きた杉。屋久杉と呼ばれます。
1982年に伐採が禁止され、2020年には土埋木の供給も終わりました。
もう新たに得ることのできない木を、形にしました。

珍しい木を使用した実用品

「屋久杉」は、ストーリーを持った銘木の代表的材種です。
まなこの音では、このような歴史や由緒を持つ素材性を大切に、
銘木と呼ばれる希少材を使用したプロダクト製品の開発に取り組んでいます。
現在進行中のプロダクト一覧です(試作開発済み、販売中のものはクリックできます)

樹齢を数え、長い歴史の中でストーリーを持つ銘木を素材に
その素材がいき、かつ実用品の観点からも意味のある
暮らしに寄り添うものづくりに取り組んでいます。

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