布袋様とは?ご利益・ご真言・梵字まで─縁起物,木彫り,置物,布袋尊

布袋様

坊主頭に福耳、満面の笑み。
中国・韓国・台湾をはじめ東南アジアや欧米にまで広まった「笑う福神」
実は10世紀の中国唐代末期に実在した禅僧・契此(かいし)というモデルがいます。
伝承や記録によると、四明山(浙江省寧波市)周辺を放浪。
「人々の悩みを笑いに変えて歩いた」という伝承の兆しは
1000年以上前の文献『宋高僧伝』 『景徳伝灯録』に残っています。

臨終の際には「(私は弥勒であり)弥勒は千億の化身となって世に現れる」という言葉を残しました。
中国では「大肚弥勒(大きなお腹の弥勒)」、日本では「七福神の布袋様」、
アメリカでは「Laughing Buddha」として、1000年の時を経て最期の言葉の通り
地域をこえて受け継がれていきます。

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禅僧・契此から布袋尊へ

最古の布袋の文献
988年『宋高僧伝』巻21 唐明州奉化県契此伝・・・最古の布袋伝 、布袋死後70年以内の口伝整理。
1004年『景徳伝灯録』巻27 布袋和尚・・・皇帝の勅許で刊行、国家公認の「禅宗正史」。

布袋は、禅の正統ラインから逸脱した「系譜外の型破りのキャラクター」として描かれました。
禅宗が肩書きに寄らない宗教であることを民衆に示したかったのかもしれません。
中国では現在でも布袋ではなく弥勒と呼ばれています。

契此が死の間際に遺した偈頌
※偈とは…経典におけるキャッチコピー,経典の内容を凝縮した表現。仏語。

 彌勒真彌勒  弥勒は真の弥勒にして  (私は)本物の弥勒である
 分身千百億  分身千百億なり     無数に化身する
 時時示時分  時時に時分を示すも   瞬間瞬間タイミングに応じて姿を示すが
 時人自不識  時人は自ら識らず
    いつの時も目の前にいても気づくことがない

出典:『景徳伝灯録』巻27

『景徳伝灯録』巻27の布袋和尚の章の全文訳▼
https://manakonooto.com/engimono/hotei-literature-b/

なぜ「彌勒真彌勒」の主語が布袋だと解釈されたのか?
・「A 真 A」「A こそ本物の A だ」同じ語が両側に来る時点で “A=話者” になりやすい。
(第三者を讃えるなら「A 真救世」のように後ろを別語に変えるのが通例)
・「分身千百億」 は仏・菩薩が自身を語る決まり文句。

これらから、最初の一句が “布袋=弥勒” と解釈されました。

マントラ・ご真言

布袋様は弥勒菩薩の化身とされており、弥勒菩薩の真言があてられます。

オン・マイタレイヤ・ソワカ

オン「聖なる響き」マイタレイヤ「弥勒菩薩」ソワカ「成就あれ」
ここから「弥勒(未来の慈悲)を今ここに成就せよ」という未来への祈りが込められています。

梵字 ─ 布袋様をあらわす文字の力

布袋の梵字は弥勒菩薩をあらわす「ユ」。瑜伽(ゆが,ヨーガ|結合・融合)を象徴する神聖な文字です。


梵字とは祈りをかたちにしたもの。身につけたり、眺めたりすること自体が、祈りの行為になります。

ご利益

布袋様
大きな袋に悩みや不安を受け止め、笑いで和らげてくれる福の神。
人との縁を円くおさめ、心を明るくし、暮らしと商いにゆとりと豊かさをもたらします。

開運招福・福徳円満・笑門来福・商売繁盛
金運招福・家内安全・家庭円満・良縁成就
学業成就・子宝安産・健康長寿・無病息災
心願成就・開運厄除対人運・厄除け・魔除け

おわりに

布袋様は、ごく当たり前のようでいて難しい真理を示しています。
「まず自分の心を笑顔で満たすこと。
笑顔は和を生み、和は財やご縁を呼び込み、得た福を大きな袋に詰めて惜しみなく分け与える。
この循環が再び笑顔を呼び、社会全体に温かな豊かさが広がっていく」
にこやかに笑みを浮かべる布袋様の太鼓腹と大きな袋はこれらを物語っているとも言われます。

現代は契此が生きた時代とは価値観が大きく変容していますが
それでもなお語り継がれています。
これまで途方もない数の禅僧の偉人はいたはずですが、
偶像崇拝されるほど有名な禅僧は私の知る限り達磨さん(禅僧の開祖,達磨大師)くらいです。

派手さはなくとも、笑って分かち合う人のそばに弥勒は現れる。
太鼓腹は受け止める余裕、大きな袋は分かち合う余白のしるし。
今日の一笑が、見えないところで誰かを助けるかもしれない。
布袋様は、その当たり前を千年かけて教えてくれているのかもしれません。

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この記事制作の際に、布袋様の原典に当たろうと、調べたところ
ウェブ上に原文が公開されているものを見つけました。
実際に文字として布袋様についての記載があり、驚きがありました。
布袋様の原典▶︎『宋高僧伝』

布袋様について、よくある質問

布袋様とはどんな神様ですか?
坊主頭に福耳、満面の笑みで知られる「笑う福神」です。七福神の一尊で、実は10世紀・中国唐代末期に実在した禅僧・契此(かいし)がモデルとされる、七福神で唯一の実在人物です。臨終に「私は弥勒である」という言葉を残したことから弥勒菩薩の化身とされ、中国では「大肚弥勒」、日本では「布袋様」、欧米では「Laughing Buddha」として、千年の時をこえて世界に受け継がれてきました。
布袋様のご利益は何ですか?
大きな袋に悩みや不安を受け止め、笑いで和らげてくれる福の神です。代表的なご利益は開運招福・福徳円満・笑門来福・商売繁盛・金運招福・家内安全・家庭円満・良縁成就など。太鼓腹は「受け止める余裕」、大きな袋は「分かち合う余白」のしるしとされ、笑顔が和を生み、和が財や縁を呼び込む循環を象徴しています。
布袋様の真言(ご真言)は何ですか?
「オン・マイタレイヤ・ソワカ」です。布袋様は弥勒菩薩の化身とされるため、弥勒菩薩の真言があてられます。「オン」は聖なる響き、「マイタレイヤ」は弥勒菩薩、「ソワカ」は成就あれを意味し、「弥勒(未来の慈悲)を今ここに成就せよ」という未来への祈りが込められています。
布袋様の梵字(種字)は何ですか?
梵字(種字)は弥勒菩薩をあらわす「ユ」です。瑜伽(ゆが/ヨーガ=結合・融合)を象徴する神聖な文字です。梵字は祈りをかたちにしたものとされ、身につけたり眺めたりすること自体が祈りの行為になると考えられています。
布袋様は実在の人物だったのですか?
モデルとなった人物は実在しました。10世紀の中国・唐代末期の禅僧、契此(かいし)です。四明山(浙江省寧波市)周辺を放浪し、人々の悩みを笑いに変えて歩いたと伝わります。その姿は、死後70年以内に成立した史料『宋高僧伝』(988年)や、皇帝の勅許で刊行された『景徳伝灯録』(1004年)に記録されています。

この記事の執筆者まなこの音について

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布袋様が、長い時を経て福の神となったように。
まなこの音は、歴史と物語をその身に宿す銘木で、暮らしに寄り添うものを制作・販売しています。

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「布袋様」は、歴史や由緒を持った縁起物です。
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