6時間.
7/2(日)
・花梨瘤の皿に3度目の拭き漆
・欅の長台に3度目の拭き漆
・屋久杉のブロックに3度目の拭き漆
雑感:
花梨瘤と屋久杉のブロックは油分が多かった。油分の多い素材に拭き漆をした場合、油分が粘りとなって、拭く際に付着しているほこり類が木地に粘着してしまうことがわかる。同じ条件で拭き漆をした欅に関してはほこりの粘着がなかったため、油分が原因だと類推ができる。非常に美しい模様の花梨の瘤の皿にほこりが付着してしまったのは残念だが、漆が接着剤として代用できることを考えると、落とすことは困難。油分を多く含む木材に拭き漆されることが少ない理由の一つかもしれない。
しかし、それ以外の面では、漆によって美しさが増すことがわかる。
漆の種類に関しては薄口漆は硬度が、生漆と比較して劣るため、最終仕上げには向かない。
7時間.
7/3(月)
・欅のブロック1度目の拭き漆
・瘤薄板を木地固め(途中)
雑感:
花梨瘤と屋久杉のブロック、欅の長皿が完成。欅の長皿に塗布後の傷ができてしまう。わずかなへこみは、錆で埋めることで違和感なく補修できるのか。
花梨の瘤の皿は乾燥すると、ほこりが目立たなくなる。非常に美しい。屋久杉のブロックの埃に関しては目立つ。この修正方法は何かあるのか。
新しく塗った欅のブロックと瘤の薄板。どちらも邪道な布や筆を使わずに漆を弾くビニールで塗布する。薄板に関してはいわゆる「さくれ」が多く、非常に多く漆を吸い込んでしまう。数度に分けて塗布しているが、それによって全体にムラができるのか?確認する。しかし非常に模様が綺麗なのでうまく塗布できればいいものになりそうな気配はある。

8時間.
7/6(木)
・欅のブロック2度目の拭き漆
・瘤薄板を木地固め
・花梨瘤5回目の拭き漆
雑感:
花梨瘤の丸皿は、背面にすのこあとが付いてしまった。再度漆を重ねると目立たなくなるようなので不木漆をおこなう。乾かす際に、器物は上部の縁が床に面するように置くと、乾かす際のベタつきリスクを抑えられるということを知る。
ここまで8時間。漆が「分かれば簡単」と感じていたが、たしかにやり方はわかるが、1.皮膚についてはいけない扱いにくさ、2.拭き上げる際の布、3手袋の使用など、知ったことをしっかりとやることの難しさを痛感する。さらに気をつけていても肘に漆がついてしまいかぶれる。ゆっくり、きっちりと行うことの難しさと重要性を体感する。
9時間.
7/8(土)
・瘤薄板を研磨(180番手)
・屋久杉ブロックの研磨(再調整)
雑感:
瘤の薄板を研磨する。普段と異なるkonvexというサンドペーパーを使う。普段使っているものと比べて厚みがあり、木屑がこびりつきにくく、研磨が長持ちした。サンドペーパーもメーカーによって使用感が異なることが分かる。屋久杉のブロックにほこりが混ざってしまっていたため、再研磨。木地固めの状態からやり直す。思ったよりも短い時間で木地をめくることができる。180番手で削り直したが、なぜか研磨跡が残らなかった。理由はわからない。
10時間.
7/9(日)
・瘤薄板に一度目の拭き漆(薄口と生漆の混合)
・屋久杉ブロックに一度目の拭き漆(薄口)
・けやきのブロックに3度目の拭き漆(薄口)
・栃のブロックの片面を木地固め
雑感:
木地固めをし、その後研磨して調整した瘤の薄板に一度目の拭き漆をおこなう。思いのほか、色が黒くなる。漆を塗りつつ、研磨し、木地を調整しつつ、再度拭き漆を行いながら、木地を整えていくというやり方をおこなう。時間はかかるが良いものに仕上がるような予感を感じる。漆塗りの工程について、ある程度の方法は一通り頭に入った。一つひとつは難しい工程ではないがきっちりと一つ一つ丁寧に行うことの難しさを体感する。いかに資材を効果的に使うのか?手際よくゴミを最小限にし、汚さず、肌に付着しないように、おこなうことができるのか?この辺りが今後の課題。100時間のうちには会得したい。
11時間.
7/12(水)
・神代杉のプレートの下地調整
・テレピン購入
・拭き上げ紙購入
・kovaxのサンドペーパー購入
雑感:
神代杉のプレートの下地調整をおこなう。サンドペーパー180番を当てる。やはり表面に粒状の跡ができる。次に320番を当てる。180番手の跡がなかなか消えない。20分ほど研磨することで消える。やはり240番手を使った方がいいことがわかる。特に、180番を当てた場合は柔らかい材ほど番手を飛ばさずにおこなった方がいいような気がする。
テレピンを購入。テレピンにグレードがあることを知る。どう違うのか…。また拭きあげる紙を購入。この紙についても千差万別の種類があることを知る。
12時間.
7/15(土)
・屋久杉のブロックに2度目の拭き漆
・瘤薄板に1000番のサンドペーパーで木地調整
雑感:
一度完成させたものの拭き上げ時のほこりのため、木地調整をして再度拭き上げている屋久杉のブロックに2度目の拭き漆。拭き漆前に表面を確認すると、室内のほこりが付着している。丁寧に拭きとって拭き漆をおこなう。油分の多い材は付着したものがこびりつきやすいだけではなく、そもそも付着しやすいという特徴があるのかもしれないということが分かる。
瘤の薄板は数日経ち、黒みが透けてきた。表面の凹凸は埋めず、そのまま仕上げた方が自然におさまるかもしれない。くぼみにうまく漆が濡れていない箇所がある。材の凹凸の度合いが漆の塗りやすさに大きく影響することを知る。また白太のすこしさくれたような部分は漆を大きく吸い込むため、テレピンで薄めることを意識した方がいいことが分かる。
13時間.
7/15(土)
・屋久杉のブロックに3度目の拭き漆
・神代のプレートの側面の木地調整、木口の切断
雑感:
屋久杉のブロックは、やはりほこりがつきやすいことがわかる。瘤の薄板にも付着が目に入ったことから、油分の多い材、さくれの多い材、凹凸の多い材はほこりがつきやすいのかもしれない。
色味については、以前のものと少し異なり黒みが目立つ。確か以前は日本産の漆で仕上げた。中国産と日本産の漆は価格に差があるが、目に見えるような違いがあるのかもしれない。一度同じような材で比較してみたい。そういえば、かなり以前、「最後の拭き漆の段階だけ日本産を使う」という話を耳にしたことがあった。確か、コスト面と最後の面に行うことで綺麗に仕上がるというようなことだった。最近は、一度目の漆が仕上がりに影響するという話を耳にしたので、どういうことなのか、確認したい。
神代杉のプレートの側面は、一度彫り、その後ペーパーを当てたので、ゆらぎがある。表面の鑿後とあっている。木口はさくれが生じ彫り跡が作れなかったため切り落とした。木口だけが直線だと違和感になるかとも思ったけれど全体的にバランスのいい感じになった。背面はカンナで仕上げる予定。
14時間.
7/17(月)
・神代のプレートの木地固め
雑感:
神代のプレートを800番手と1000番手で水研ぎする。少し表面に小傷は残る。10分程度擦っても消えなかった。このような場合、より荒い番手から始めれば時間をつかわずにより綺麗に仕上げられるのか。今回は現在購入中のkovat製のペーパーがまだ届いていないこともあり、この状態で木地固めに入る。新たに購入したテレピンと漆を9:1程度の割合で混ぜ、塗る。テレピンを使うことで、手持ちの小皿ではあふれかえるため、使い捨ての紙カップの使用を次回以降してみる。
毎度感じてしまうことだが、漆の作業一つ一つを丁寧に行うことの難しさを感じる。どこか雑になってしまう。難しいことではない普通のことをひとつひとつ、ちゃんとおこなうことの難しさを体感する。
拭き漆には技術もあるが、心構えや気持ち、整理しつつ進める、できるだけ無駄なく、汚さずに使う、など技術以外の側面も本質的な部分のような気がする。
15時間.
7/20(木)
・ブビンガ瘤の木地調整
・屋久杉プレートの木地調整(1000番)、木地固め(生漆)
・屋久杉片の木地調整(1000番)、木地固め(生漆)
雑感:
以前栃の縮杢目のあらわれるブロックに国産の生漆(赤目)で木地固めを行ったものを確認したところ、非常に美しい見栄えになった。このことから、国産漆と中国産漆には見た目の印象の違いがあるのではないかという仮説が立つ。今後、国産漆を購入し、比較したい。また国産漆にもグレードがあるようなので、最高グレードのものを試してみたいという気持ちがわいてくる。また色味についても黒との相性が良いと思うので、赤っぽい仕上がりよりも黒よりの仕上がりになるような漆を探したい。
ブビンガ瘤は非常に美しいため、木地固めはより良質な木漆を直接塗布したい。

16時間.
7/22(土)
・屋久杉プレート拭き漆1回目
・屋久杉片拭き漆1回目
雑感:
木地固めを行っていた屋久杉片とプレートに一度目の拭き漆をおこなう。やはり、屋久杉片の方は表面の荒さから黒くなっており、この後どのような仕上がりになるのか楽しみ。プレートに関しては赤みを帯びている。面が整った材ほど黒みが弱くなることを再確認。また漆の種類の中で、黒い漆があるのかどうか?耳にしたことはあるが確認はしことがない。もしあるようだったら購入したい。
エノキ材に行っていた木地固め(生漆)の仕上がりを確認する。黒みを帯び、味のある仕上がりになっている。
17時間.
7/23(土)
・屋久杉プレート拭き漆2回目
・屋久杉片拭き漆2回目
雑感:
どちらも同じ屋久杉材だが、部位が異なることで色味が全く異なるものになる。一方は赤く、もう一つは黒になる。黒みを持った方が美しく感じるが、木口の水分を吸う部分が黒くなりやすいことを再確認する。塗ることなく、塗った場合どのようになるのかの予想はある程度数をおこなえば、分かるようになるかもしれない。最終仕上げに、グレードの高い国産漆を使うことで仕上がり感に違いが出ると言う話を耳にしたことがあり、その点について漆店に文面で相談する。また黒漆という種類が生漆とは異なるカテゴリーで用意されていた。どういった違いがあるのか、単に生漆に色がついたものなのか。それとも使用場面が異なるのか。黒い仕上がり感は気になっていたので一度試してみたい。
18時間.
7/24(日)
・屋久杉片拭き漆2回目
雑感:
かなりの黒みになる。同時に拭き漆を行っていたプレートと大きく艶感がことなる。塗る表面がどの程度水分を吸うのかの程度の違いによって、黒み⇆赤みに加えて艶⇆マット感の度合いが違ってくることを確認。水分を吸いやすい表面ほど、艶が出にくい。これはいつまでの内部に漆が入ってくるということと考えられる。現在気になるのは、国産漆を最終仕上げに塗ることで見た目が変わるのか。黒漆は生漆とどう異なるのか。前者は質問中。
19時間.
7/26(水)
・木地固めをむらをつけておこなった栃のブロックの木地調整
雑感:
栃のかなりむらのある状態のブロックにサンドペーパー60番で木地調整。かなり染みている部分は黒くなり、いくらさすってもなかなか黒みが落ちない。木地調整の方法の重要性を再確認。
漆の艶と色味の仕組みについて、漆店に質問。拭き漆の一度目でまず仕上がりの色味が決まる。艶は最終の塗りの漆で決まるとのこと。また漆は様々なものをまぜあわせても問題ないことを知る。

20時間.
7/29(土)
・栃のカンナで形成した長方形の塊の荒めの木地固め跡を180番で整える。
・欅のプレートに国産漆を塗布する。
雑感
180番のサンドペーパーで磨く。かなり時間をかけて磨く。どうしても深く染み込んだ漆跡が取れない部分が残るが、全体的に磨く。45分程度の荒い部分が磨けた。どの程度まで磨けばいいのか?は分からない。①サンドペーパーの粒子跡がどの程度残りそうか②何番でどの程度磨けば良いのか、まずことあたりがぱっと判断できるのが課題。手探りで行っているような感覚で基準がなくわからない。
3度ほど塗り重ねた欅のプレートに、800番で磨いた上に国産漆を塗布する。国産漆は中国産と比較して漆の色味がクリーム色に近く品がある。また塗った後の表面の質感にきめの細やかさを感じる。仕上がりも異なったものになるような気がする。

21時間.
7/30(日)
・屋久杉のブロックに国産漆を塗布する(国産漆一度目)
・欅のプレートに国産漆を塗布する。(国産漆二度目)
・屋久杉片に艶消し漆を塗布する
・屋久杉プレートに艶消し漆を塗布する。
・屋久杉プレートを320番で木地調整し国産漆を塗布する(国産漆一度目)
雑感
購入していた国産漆と艶消し漆が届く。実際に試す。国産漆はやはりツヤの出方に違いがあるように見える。塗った感じの馴染もよく、乾かした際に素材に接着部の付着も少ないのかもしれない。最終だけに国産漆を使用しているが、今後は初めからの使用との比較も試したい。
艶消し漆を初めて使用する。どのように艶が消えるのか、確認したい。
22時間.
7/31(月)
・屋久杉のオブジェに中国産漆で木地固めをおこなう
・屋久杉のオブジェ台に中国産漆で木地固めをおこなう
雑感
鑿で全面を仕上げたオブジェに木地固めをおこなう。のみで彫り進めた後、2000番で磨く。しっかりと水分で拭き上げて、乾いたのを確認し、木地固めをおこなう。テレピンと1:1で割り、全面に塗る。漆店のブログにあった「一度塗り、15分程度乾かし、再度塗る」という方法でおこなう。
できるようになったこと:
・湿度調整
分かるようになったこと:
・油分の多い木材は、塗面にほこりが粘着しやすい
・油分の多い木材は、塗面にほこりが付着しやすい
・薄口漆は仕上がり硬度が生漆に劣る
・乾燥に適切な湿度70~85%、温度20〜30度
・木地固めの漆で色味が決まり、仕上げの漆で艶が決まる。
・漆の下地としてサンドペーパー60番は荒すぎる(180番〜)
・木地固めのテレピンと漆の割合は1:1
・くぼみなどサンドペーパーの入らない部分はかける必要はない
・多少の鑿後のさくれは漆塗りの下地として問題ない
・鑿後にサンドペーパーする場合は800番以上
・艶感などの仕上がりに最も大きく影響するのは漆の等級よりも、乾燥環境や素材の方にある
・粘着した塗面のほこりを落とす方法がある
・
疑問:
・テーブル板のようなものはどこで乾かすのか?
・拭き漆面にシミのような跡がある。重ね塗りすると消えるか?
・小傷は重ね塗りすると目立たなくなるか?
・数回塗り重ねた後に、小傷をサンドペーパーでなだらかにすることはできるか?
・1回目の塗りに使う漆が仕上がりを左右するというのは、木地固めに使う漆か?
・布を使って拭いている。漆を多く吸い、なくなりがはやく感じる。刷毛の方が省エネか?
・手に漆がついた場合の落とし方?
・完成品を扱う上で気をつけた方がいいこと?
・錆で小傷を埋められるか?
・錆は小麦で作れるか?
・錆と「コクソ」は違うのか?
・漆を塗ると瘤の表面が白っぽくなった。なぜか?
・塗布後、コツっとぶつけて出来た小傷は錆で違和感なく埋められるか?
・木地表面の凹凸は漆をかけながら調整すれば、最終的に綺麗に仕上がるか?
・木地調整の小傷、どの程度まで許容ができるか?
・仕上がりが黒くなる黒漆はあるか?
・黒漆と生漆はどう異なるか?
・拭き上げの紙の使い分け?
参考文献、資料:
・漆塗りの技法
