欅―日本で古来から重宝されてきた樹種

欅ー日本で古来から重宝されてきた樹種

万葉集に登場する欅

欅(けやき)は、日本を代表する広葉樹のひとつです。
まっすぐ高く伸びる樹形は力強く、古くから「日本の樹の象徴」として尊ばれてきました。
古くは万葉集に槻(つき)という古語で登場します。

あしひきの 山のしづくに 濡れにけり
 君が袖ふる 槻の木の上に

万葉集 巻三・278番歌 高市連黒人(たけちのむらじ くろひと)作

万葉の時代、人々は欅(槻)のもとで思いを交わし、その姿を歌に託しました。
1000年以上の時を経た現在でも、変わらぬ存在感を滲ませています。
その静かな力は、鮮やかな樹形にも、力強い材質にも息づいています。

地に根ざす欅の特徴

樹形はしばしば「箒を逆さにしたよう」と形容されます。逆三角形のシルエットが特徴です。
欅は成長がゆっくりで、樹齢数百年を超える大木になることは珍しくありません。
日本各地の神社のご神木として親しまれ、日本文化と深いかかわりがある樹木です。
また地に埋もれた欅材は「神代欅」として珍重されています。

銘木の代名詞とされる所以

最大の特徴は力強い木目模様です。
色味のコントラストを持つはっきりとした線形の模様が特徴です。
硬質で、粘りがあり頑丈。水に強く朽ちにくく、重厚です。

稀に玉杢などの杢目が現れます。そのような原木や原板は高値で取引されています。
建築材や家具材として、機能と美観を備えた素材として古来から高い評価を得ています。
徳川幕府が欅の植栽を推奨していたとする研究もあり、
実用性と美観の両面で、欅は特別な木とされていたことがうかがえます。

欅(ケヤキ)大径木,一枚板

欅材のはじまりと普及

実在する最古の欅材は、奈良・正倉院に伝わる「赤漆文欟木御厨子(せきしつもんあんぼくのおんずし)」です。
玉杢を伴う美しい欅板が用いられたこの厨子は、約1300年前の奈良時代に制作されたとされ、
日本における欅材工芸の起源を物語る歴史的遺品です。

以降、江戸時代には寺社や和室の大黒柱、指物の主要材として広まり、
「民藝」― 日常に宿る無名の美が見直された時代を経て
近代の木工史においても欅は常に主役級の扱いを受けてきました。
※ただ近年、建築様式や暮らしの変化により、欅の姿を見る機会は少しずつ減りつつあります。

神代欅の器

実用品への可能性

欅は、その堅牢性と美観から、「使って美しく、見て味わえる」素材として、
古くから様々な工芸品に使われてきました。
現代においては、椀や盆、カトラリーといったテーブルウェア類との相性がよく、
また特徴的な木目を活かして、オブジェや器などのアートよりの造形にも展開できます。

加工技術や塗装表現が進歩、多様化した今、
欅という素材の力を現代の価値観と響き合わせながら、
新たな提案をしていく余地は、むしろ広がりを見せていると言えそうです。

まなこの音では|欅製品とその力の表現

まなこの音では、銘木欅材の持つ木味を適切に引き出すため、
材質、形状ごとの個性に応じた表現方法を模索し続けています。
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日常の中で実用できる器やオブジェの制作・販売を通じて、
欅という素材の美しさと力強さを、手のひらサイズのかたちに宿らせています。
オリジナルオーダーのご相談も承っております。お気軽にお問い合わせください。


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