日本を代表する縁起物のひとつ「招き猫」
商店の入口やレジ脇、玄関や神棚など、さまざまな場所で見かけます。
この記事では、招き猫のご利益や由来、色やポーズなどを掘り下げました。
“福を呼ぶ”招き猫のポーズ
招き猫は、名前の通り「福を招く猫」です。
手を挙げる仕草は「おいでおいで」を意味し、
人・お金・ご縁など、良いものを呼び寄せる存在です。
猫はもともと「魔除け」や「家を守る動物」として考えられてきました。
特に黒猫は「疫病退散」や「病気平癒」の力があると信じられています。
つまり、招き猫は「招福」と「守護」を備えた縁起物です。
招き猫の由来─いくつかの猫伝説
招き猫の起源にはいくつかの説があります。有名なのは次の二つです。
① 豪徳寺(東京都世田谷区)の伝説
江戸時代、彦根藩主・井伊直孝が鷹狩りの際に、一匹の猫(タマ)に手招きされて寺に立ち寄りました。すると突然、激しい夕立が。雷雨を逃れられたことを喜んだ直孝が後に豪徳寺を支援し、井伊家の江戸の菩提寺(ぼだいじ)に定めました。
これをきっかけに豪徳寺は繁栄し、猫を招福の象徴として祀るようになったとされています。

(https://gotokuji.jp/manekineko/)
② 今戸神社(東京都台東区)の伝承
江戸末期、浅草に住む老婆が、貧しさから愛猫を手放しました。
後日、老婆の夢にその猫が現れます。
「自分の姿を人形にして売れば商いが繁盛する」と告げられた老婆は、言葉通りに人形を作りました。
猫の人形を浅草の参道で売り出したところ大評判に。この猫が後の「招き猫」です。

(https://imadojinja1063.crayonsite.net/)
色・手・姿勢による違い
招き猫には、実はさまざまな意味のバリエーションがあります。
色や手の向きによって、招く福が変わります。
◉ 色の違いとご利益
| 色 | 意味 |
|---|---|
| 白 | 開運・幸運全般 |
| 黒 | 魔除け・病除け |
| 金 | 金運アップ |
| 赤 | 健康・病気平癒 |
| 緑 | 学業成就・安全 |
| ピンク | 恋愛成就・縁結び |
特に「金の招き猫」は財布・お金周りの縁起物として人気があります。
◉ 手の違いとご利益
| 手の向き | 招くもの |
|---|---|
| 右手上げ | 金運・財運を招く |
| 左手上げ | 人(客)・縁を招く |
| 両手上げ | 福と人を同時に招く(ただし欲張りとする説もあり) |
また、手の高さにも意味があり、「手が高いほど遠くの福を招く」とも言われます。
招き猫は祈りの造形
招き猫は可愛い見た目の祈りの像。
・商売繁盛したい
・家族が無事でいてほしい
・よいご縁がありますように
・新しい場所でうまくいきますように
このような大切な思いが託される頼り甲斐のある縁起物です。
目に見えない思いは、行き先があることで言葉になり、言葉になることで流れが生まれます。
陶器・木・和紙・金属など、さまざまな素材の招き猫があります。
この多様さは、人々の祈りの広がりを物語っています。
まとめ─ただ待つだけの猫ではない
招き猫は、じっとしているように見えて、手をあげて行動している存在です。
「運を招くには、自ら手をあげることが必要だ」という示唆にも受け取れます。
「誰かの元に福を連れてきてほしい」「願いが届きますように」
今日も一匹の猫の手招きが大きな福・良きご縁を静かに形づくっていることでしょう。



