5. 取り入れる|ガイド

銘木製品の購入前に、これだけ知れば安心|3つの視点

銘木製品は 「一点物」 の存在感を放つ一方で、

「この価格は本当に妥当?」「この形で正解?」といった不安がつきまといがちです。
本ガイドでは、初めて銘木を検討する方が安心して選択できるよう、
1.素材の特性 2.使用上の注意 3.販売店選びの3視点から
初めての方でも安心して選べる判断軸をまとめました。

・銘木製品|素材の特性

銘木製品の骨組みになる木素材。
取り扱いを知るには、木素材の本質を知るのが近道です。キーワードになるのは変化です。

_1. 素材毎の変化─木目や色味に差異がある
年輪の揺らぎや節の配置まですべてが偶然の造形。
手のひらに収まるその一片は、樹が生きた時間を丸ごと閉じ込めた世界にひとつだけの景色です。

_2. 木が動く─環境に反応する変化
製品になる前に、素材としての木材は乾燥が必須です。適切な乾燥を行うとそれ以上水分率が減少しなくなります。
つまり、水分割合は安定はしていますが、乾燥後も一定の水分量は含んでいます。
そのため、湿度環境に応じて水分量が変わり、その結果木が動く(反り、ねじれ、割れ)ことが起こり得ます。

_3.加工による変化─樹木→木材→加工→塗装→製品→経年
樹木から木材に加工することで、見た目が大きく変わるように、
その後の工程・経過で見た目を変えていきます。


・銘木製品|使用上の注意

使用上の注意点は「木が動く」ことによる反りや割れの対策が中心です。
1. 使用する上での対策
2. 木材の割れや反りの仕組み
3. 製品化される前に為されている対策
4. 塗装によるの違い

この4つの観点から簡潔にまとめました。

_1. 使用する上での対策
木は一定の水分量まで下がるとそれ以上は下がりにくくなり安定します。
この状態まで乾燥させても、外的環境に影響を受け、水分の取り込みと吐き出しを行います。
その結果として、製品後であっても、木が動く可能性があります。
・空調による風を直接当てない
・直射日光を避ける

この2点が通常の使用で最も水分量に影響を与えます。
使用する際に対策できる点です。

_2.割れや反りが起こる仕組み
水分を霧吹きで軽く含ませたティッシュをイメージしてみてください。
それをドライヤーで乾燥させた場合、どうなるでしょうか?
凹凸ができているはずです。木材も同様で、水分が乾く過程で、面に歪みが生じます。
この歪みの大きさが、割れや反りの原因です。
木材の性質上、しなる場合は曲り、硬質であっても石のような場合は割れとして現れます。
これ以上水分が抜けないというところまで抜き切ってから、
平面を出しを行います。この工程を繰り返すことで、反りや割れが格段に起こりにくくなります。

_3. 製品化される前に為されている対策

①乾燥|水分を抜く
樹木が丸太になり、製材され板や柱になる過程で
乾燥という過程が必須です。
人工乾燥と自然乾燥、自然乾燥にも水上乾燥と通常乾燥など様々な方法はあるものの
通底しているのは、樹木をカットした段階にあった水分を、
ある一定の水分率に下げるための乾燥が必須だという点です。
製品化後に反りや割れが起きないように、この乾燥の段階で、木を動かしながら
水分量を下げていきます。

②製材|丸太の状態からどうカットするか
先ほどのティッシュの例で考えるとわかりやすいですが、
板も薄いほど、凹凸が出やすくなります。
厚みを持たせることが、木の動きの抑制につながります。
またややこしいので詳細は割愛しますが、柾目が出るように製材すると曲がりにくくなります。
板目は曲がりやすいという特徴があります。

_4.塗装による「コーティング性」「メンテナンス性」「見た目」の違い

①木が動くのを抑制する効果|コーティング性
・ウレタン塗装◎・・・膜を作るため、木が固定される。
・漆仕上げ◎・・・接着剤としての効果を持つ漆が染み込むことで、固まる。
・ガラス質仕上げ○・・・浸透型で膜を作らない。
・オイル仕上げ△・・・コーティング効果は木地に近い状態。
※塗膜の有無が関連しています。

②メンテナンス性|頻度や有無
全て、日常的には、乾拭き、もしくはかたく絞った布巾で水拭きしてください。
・ウレタン塗装◎・・・メンテナンスは特に必要ない。
・漆仕上げ◎・・・メンテナンスは特に必要ない。
・ガラス質仕上げ○・・・使用頻度に応じて、数ヶ月〜数年に一度重ね塗りで効果性持続。
・オイル仕上げ△・・・使用頻度に応じて、数ヶ月に1回の重ね塗りで効果性持続。

③見た目|好みや設置環境により異なるため評価していません
・ウレタン塗装・・・木地(原板)の状態と少し印象が変わる。膜を作りコーティングする。
・漆仕上げ・・・色味に変化があり、艶が出る。茶褐色の色が加わる。
・ガラス質仕上げ・・・木地と色や質感をほとんど変えない。ウレタンや漆ほどではないが硬質になる。
・オイル仕上げ・・・水を弾く。明るい色が加わる。木地と近い質感、風合い。


・銘木製品|信頼できる販売店の特徴

一般的な内容は避け、銘木製品に相関がある販売店の選び方について傾向をまとめました。

_1. こだわりがある
銘木を長年扱っているとのめり込んでいく方が自然です。
方向性に違いはあっても、深さは共通しています。結果的にこだわりがあるように見えます。

_2. 素朴な疑問に対して、きちんと向き合って回答をくれる
銘木領域は売り手と買い手の情報の非対称性を活用して
ビジネスとして成り立ってきた側面があるように思います。
しかし現代は、情報が無尽蔵にあり、オープンソース化の流れが浸透しています。
情報をオープンに共有してくれる店舗が現代の優良店だと思います。

_3. オンライン対応をしている
銘木店は値段をつけない旧来の商売を行なっている店舗が多い印象です。
一点ものの特性上、一様に値段はつけられない側面はあります。
しかし、社会環境(ニーズ)の変化に応じようとしているかどうかは大きな違いです。
それは随所に現れますが、その一つの指標がオンライン対応です。
オンライン環境の有無はその店舗の信頼度を示す大きな指標の一つです。


おわりに|基準を持って直感を楽しむ

このガイドでは、銘木製品を安心して購入するための3つの視点
1.素材の特性 2.使用上の注意 3.販売店選びをまとめました。

しかし、銘木の世界を山脈にたとえるなら、
今回のガイドはまだ登山口で地図を広げたようなタイミングです。
深い森の先には踏み入れた者にしか見れない景色が広がっています。

gallary|写真から感じられるものがあります▼
https://manakonooto.com/gallery/

道に迷わない指針|記事一覧▼
https://manakonooto.com/category/door-to-forest/

銘木とは|網羅記事▼
https://manakonooto.com/what-is-meiboku/

《 まなこの音について|問題意識と課題 》

銘木は知れば知るほど疑問が出てくる杢目のような複雑な世界です。
銘木の線引きが曖昧なように楽しみ方も曖昧でルールが存在しない点は
興味を持つきっかけを減らし、敷居を高くしていると感じています。
そのような複雑性の高い銘木製品を、
まなこの音ではできるだけシンプルに「実用品」「小物」という観点から捉え直し
製品化を行なっています。
よろしければこちらもご覧ください。
製品一覧|まなこの音▼
https://shop.manakonooto.com/collections/all

最後に、よくある質問をQ &A形式でまとめています。
ご参照ください。

よくある質問(FAQ)

Q1:価格の妥当性がわからない。どう判断すれば?
A:一定の審美眼が必要ですが、調べれば相場感は見えてきます。オンラインで類似品を見比べたり、信頼できる銘木店・木工家・AIなどに相談するのも有効です。価格の理由に納得できることが大切です。

Q2:木は動いたり割れたりすると聞いた。本当?
A:本当です。特に銘木は木目が複雑で動きやすい傾向にあります。ただし、十分に乾燥された材であれば大きな変化は起きません。信頼できる店で乾燥状態についてしっかり説明を受けることが大切です。

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