木材脱色剤
木材加工の世界には、まだまだ知られていない技術や工夫がたくさんあります。
その中で、「木材脱色剤」という製品が存在することを最近耳にしました。
日頃、拭き漆の技法を用いる中で、新しい表現を模索している私にとって、
この情報は非常に興味深いものでした。
脱色への関心のきっかけー渋みのある質感
拭き漆では、艶を抑えたマットな仕上げを目指すために
「油煙」と呼ばれる炭を漆に混ぜる技法を使います。
この油煙を用いることで、漆の黒みが深まり、
落ち着いた重厚感のある仕上がりになります。
ある日、ふとした実験として、この油煙を漆ではなく水に溶かして使ってみました。
すると、意外な結果が生まれました。
屋久杉の表面、特に油分の多い部分に、
まるで長い年月を経たようなビンテージ感が現れたのです。
その風合いは、木材の表情を際立たせ、
どこか懐かしさを感じさせる美しい仕上がりでした。
木材脱色方法の調査
このビンテージ感の美しさに魅了された私は、
さらに進んで、木材を意図的に脱色する方法がないかを模索し始めました。
そこで、木材脱色剤について詳しく調べたところ、
いくつかの製品が存在していることが分かりました。
それぞれの特性や使用方法を知るために、実際にメーカーへ問い合わせを行い、
具体的な情報を集め始めています。
屋久杉の持つ独自の魅力をさらに引き出し、
新たな表現の可能性を追求するために、
これからも試行錯誤を続けていきたいと思います。
今回の発見が、木材加工の世界に新しい風を吹き込む一歩となることを期待しています。
屋久杉といえば深い茶褐色の色味が特徴ですが、
その模様の複雑さも他にはない特徴です。
そこで、色味を脱色することで、これまでにない屋久杉の表情を引き出せないか
というアイデアを思いつき、2024年末から調査を進めてきました。
調べる中で木材脱色剤の取り扱い業者に出会い、
先日電話で詳しくお話を聞きました。
脱色には主に「水酸化ナトリウム(NaOH)」と「過酸化水素水(H₂O₂)」がポイント。
「木材は成分の個体差が大きく、狙いどおりに脱色できるかは実際に試してみないとわからないことが多い」らしいことが分かった。
やっと「ウッドブリーチ」が届きました。
これは、木材の脱色に使用する特殊な液体です。
一液性なので非常に扱いやすいのが特徴。
通常、木材の脱色には過酸化水素水や水酸化ナトリウムがよく使われるようですが、
今回入手したウッドブリーチはそれらとは異なるアプローチで脱色を行う製品だそうです。
詳細については、改めて販売店の方に確認してみようと思っています。
なぜ脱色が必要なのか?
私が今取り組んでいるのは、銘木素材を使って、
ある特定の“質感”を表現することです。
目指したいイメージははっきりしているのですが、
そのゴールに至る一般的な方法が見つからず、試行錯誤の連続。
いったん木材の色味をしっかり抜いてから、
上に白漆(または類似の塗料)を施すことで、理想に近づくのではないかと考えています。
まず木地自体の色が強いままだと、
上から重ねる色や質感が思うように出せないため
脱色というステップが必要だと考えています。
白漆や類似塗料を重ねる計画
実際のところ、脱色剤を使うことで木材がどのように変化するのか、はっきりと分かりません。
(製造業者の方でも木材の脱色は難しく分からないということでした)
うまくいけば、木材がもつ本来のテクスチャーを活かしつつ
明るい下地になるかもしれませんが、どの程度白くなるかは未知数です。
いったん脱色し、その状態に白漆や白系の塗料を試してみる予定ですが、
まずは実験的に手を動かし、実際にどう変化するかを確認しながら、
理想の質感に近づく方法を模索していくしかありません。
下記のような質感、雰囲気を目指しています。


木材脱色液
製品名は「シダーブリーチ」「ウッドブリーチ」
A液(過酸化水素水)・B液(水酸化ナトリウム)の二液を使う脱色が効果的のようで
今回は「ウッドブリーチ」を購入した。
初めての問い合わせにもかかわらず、丁寧に教えてくださり、
気が付けば電話は50分に。
実際にどうなるかは未知数。
引き続き手探りでじっくり取り組む必要がある。
屋久杉の新たな切り口を見い出すべく、腰を据えて取り組む。
追記:
塩水処理というものがあることを知る。
また漆の下地を行ってから、酸化ナトリウムと過酸化水素水を使うと、
異なった仕上がりになる可能性があることがわかる。
2025年5月 追記:
塩水に黒柿を長期間晒すと、黒みが抜けることがわかる。
脱色に「ネオシロックス」を薄めて塗布すると効果があるという話を聞く。
過酸化水素7:アンモニア+塩3の塗布で脱色できる可能性。


