錆びた風合い、陶器のような質感
ずっと「あのような質感」を再現したいと思っていました。
錆びついた鉄のような独特の風合い。
あるいは焼き物のような、ほっこりとした土っぽさ。
木地の上にどうやってあれほど魅力的なテクスチャーを生み出すのか、気になっていました。
そこで、先生や有識者の方に尋ねたところ
「錆(さび)」というワードが出てきました。
漆の世界でいう“サビ”とは、「砥の粉(または地の粉)+漆(色漆)」を混ぜ合わせたペースト状の材料のこと。
そのペーストを1~2mmほどの厚みで木地に塗りつけることで、
表面に錆びたような質感や陶器のようなマットな風合いを作り出せるのだそうです。
「砥の粉? 地の粉?」と聞いて
最初は戸惑いましたが、それぞれ粉の粒度が違い
割合によってテクスチャーが変わるそうです。
もちろん、漆自体の色によっても仕上がりは変化しますし、
塗り重ねの回数や研磨の仕方で、さらに表情を広げることができる。
つまり、同じ「錆」でも、砥の粉と地の粉の割合や漆の種類・色合いなど、
組み合わせ次第でかなり多彩な質感を生み出せるということになります。
やってみないことにはイメージ通りにいくかどうか分からない。
最初からすべてうまくいくとは思えませんが、その試行錯誤が面白さかもしれません。
実際に試作品をいくつか作ってみて
自分にとって「これだ!」と思える仕上がりを探っていこうと思っています。
こうして、疑問だった「あのような質感の正体」はサビ漆であることが分かり、必要な材料や基本の作業プロセスもだいたい見えてきました。あとは行動あるのみ。今後は砥の粉や地の粉の配合を変えたり、漆の色を微妙に調整しながら、最適解を見つけていきたいと思います。
皆さんの中にも、「あの風合いはどうやって作るんだろう?」と漠然と気になっている素材や技法があるかもしれません。
そこにはきっと、何かしらの“呼び名”があり、
使われている“材料”があるもの。
私の場合は「サビ」がそれでした。
もし似たような思いを抱いているなら、ぜひ専門家に尋ねたり、
資料を調べたり、実際に試してみたりしてみてください。
意外とシンプルな仕掛けで、驚くほど豊かな表現が得られるかもしれません。
これから少しずつ研究して、いつか理想に近い仕上がりをこの手で作れるようになるのが目標です。
また進展があれば、記事で紹介していきます。
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ポイント
- サビ漆とは「砥の粉+漆」のペースト。厚みを持たせて塗ることで質感が大きく変わる。
- 粉や漆の種類・配合・色が変われば、ほぼ無限に仕上がりが広がる。
- 実践あるのみ!


