同じ作品を何度も見返したり聴き直したりして
「最初は気づかなかった良さが分かってきた」という経験はないでしょうか。
初めは「なんとなくいい」と感じていたものが、
回数を重ねることで「こんな仕掛けがあったのか」「ここも面白い」と発見が増えていく。
私たちは体験的に「噛み砕くほどに形や次元を変える作品」があることを知っています。
音楽─繰り返し聴くほどに味わいが増す
一度聴いてすぐ気に入る曲もあれば、何度も聴くことでようやく良さが分かる曲もあります。
特にクラシックでは、ベートーヴェンの交響曲やバッハのフーガなど、
構造的に多層化された旋律や対位法が重なり合い、
聴く側のリスニング能力が上がるほど「見えてくる」音が増えていきます。
また、ジャズの即興演奏では、繰り返し聴くうちに演奏者間の会話のようなやりとりが浮かび上がり、
その自由さと緊張感のバランスに気づくようになります。
つまり「聴く主体の成熟」に応じて、作品が応答するような構造があります。
絵画─深読みができる多層構造
ブリューゲルやボス、あるいは葛飾北斎の作品には、
視点を変えるたびに新しいモチーフが立ち現れるような構成があります。
彼らの絵画には、視点を変えるたびに見えるモチーフが変化するような構成があり、
時代背景や作者の思想を知ることで、さらに別の解釈が可能になります。
たとえばキリスト教絵画であれば、
聖書知識を持って見ることで背後に隠れた「象徴」や「意図された構図の逆転」に気づくこともあります。
これは単なる装飾ではなく、知識と時間が深度を開く仕組みがあると言えます。
映画─伏線回収と多面的な読み方
映画においては、たとえば黒澤明『羅生門』や、
ノーラン『インセプション』のような、多層的な語り構造を持つ作品が典型です。
同じシーンが繰り返されるなかで、視点や語り手が変わることによって意味がずれていき、
最終的に観客自身が「何を信じるか」という主体的な選択を迫られます。
このような視点のスイッチや編集による意味の変容は、最初は気づかなくても、
繰り返し観ることで「映像という言語」の深みを知ることになります。
多層的な魅力が長持ちする理由
このような多層構造をもつ芸術作品に共通するのは、「知るほどに、奥行きが増す」という性質です。
情報量が多さ。その情報が多層的に配置されている。
鑑賞のタイミングや、鑑賞者側の知識や経験に応じて、見えるレイヤーが変化するため、
解釈に変化が起こる。
そのため、見るたび聴くたびに異なる角度から楽しめる。
一見明快に見える構造が、実はまだ解ききれていなかったと気づくこともある。
作品に新鮮さを保たせる仕組みが、そこにあるのです。
では銘木材はどうか?
日々木材に触れていると、こういう感覚に近いところがあると感じます。
樹齢という歳月をかけて作られた造形には、違和感なく複層的に模様が連なっています。
じっくり目を凝らすことなく、木々に雰囲気があり、見た目の方向性などが整理されてきます。
1を知ると10の疑問が生まれる、知るほどに謎に呑まれるような構造です。
銘木は色々な形を見せながら、見るものを緩やかに刺激する印象を持ち、それは複層的なものです。
少なくとも私の目には「多層的な魅力」と似たものとして、銘木が映っています。
《 まなこの音について 》
まなこの音では、銘木材を軸に、
日常に使える「木の製品」の制作と販売をしております。
オリジナルオーダー品も制作しております。
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