江戸時代の材木商「猫屋」由来と根っこ材―瘤材のルーツ

江戸時代の材木商「猫屋」由来と根っこ材ー瘤材のルーツ

はじめに

江戸時代に材木商の「丸太屋」「唐木屋」と並んで存在した「猫屋」。
なぜ材木屋に「猫」が当てられたのか?その由来ははっきりしていません。
説の一つに「木材として扱いにくい根っこ(根材)専門店を周囲が皮肉を込めて猫屋と呼んだ」
というものがあります。
ここでは、その説を前提にして、
当時〜現在の根っこ材(瘤材)への評価がどう変化したのかをまとめています。

根っこ材の特徴|①美しい②扱いにくい

①硬く、繊維が複雑
・木の根は地中で重力や土を支えるため、繊維構造が不規則
・そのため幹部よりも手道具で加工するのは難度が高い。

②当時の手作業では手間がかかりすぎる
・電動工具の普及前、鋸(のこぎり)や鑿(のみ)で複雑な根材を整形するには
時間も技量も必要だった
・商品価値が十分に見いだされず、手間をかけるコストに見合わなかった可能性が高い。

猫屋の始まりと評価

①ねっこ屋→猫屋へ訛った?
根っこ材を扱う店。「根っこ」が「ねこ」に転じて猫屋になったのではないか、という推測。

②揶揄的な響き
正規ルートでは人気のない複雑な材を集めている店をからかって、
猫でもまたがない材を集める店と呼んだという解釈もある。

江戸時代の猫―変わり材を好む職人や愛好家がいた?

①作り手にとっての猫材
変わった杢目模様と加工のしにくさは表裏一体。
そこに面白さを感じ、あえて選んでいた作り手はいたかもしれない。

②消費者にとっての猫材
ゲテモノ好きがいるように、根っこ材に面白みを見出すもの物好きもしくはがいたかもしれない。

現代の猫―根材への再評価

①工芸の世界で注目
曲がりや節を活かしたアート作品や家具、器作りが盛んになり、
変木や瘤材(バール)、根材の個性を積極的に使う人が増えている。

②不遇だった素材が独自の価値を持つ
昔は敬遠されがちでも、いまや普通ではない杢目や自然のままの曲線を求める層が存在し、
特にデザインやクラフト界隈で高い評価を得ている。

まとめ

江戸時代当時の「猫屋」の材木商としてのポジション

・「猫屋」加工が難しく、用途が限られていた根材などの余剰材を扱う店(「猫まんま」のような呼称に通じる可能性)
・「丸太屋」一般的な建築用材として需要の高い丸太や板材を扱う店
・「唐木屋」中国や東南アジアから輸入された高級木材(唐木)を専門に扱う店


根っこは、加工の手間から、利用用途が見出されず、余剰材を扱う店として認識されていた可能性が高い。
以前は価値を見出されなかった素材が、いまでは貴重品として見直される。
そんな逆転のような変化も興味深いものです。

江戸時代に扱いづらいとされた根っこ材は、
現代では「唯一無二の表情をもつ素材」として見直され始めています。
そんな時代の変化を受けとめながら、私たちはこの素材に改めて向き合っています。
「まなこの音」では、歴史ある素材、連綿と続いてきた見方を踏まえて、
それらを乗りこえられるかたちを表現したいと考えています。

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